求人広告の中でも、採用難易度の高い「ホテルフロント」。コロナ禍の影響は薄れましたが、大手であってもまだまだ採用に苦慮する企業も多いようです。
今回は小規模な婚礼ホテルで、20代の若手女性の採用に成功した求人事例をご紹介します。
業界・企業情報
事業内容
結婚式場が併設されたホテルの運営。
そのホテル内だけで5つのチャペルや式場、披露宴会場を保有しており、宿泊客は観光、ビジネス利用もいるが、大多数が結婚式の招待客である。
企業規模
従業員:約100名
拠点は都内に1カ所のみ。
採用条件
求める人物像
20代~30代前半の女性。未経験歓迎。
正社員未経験もOKだが、可能であればアルバイト等で接客経験があると尚良い。
給与および待遇
月給22万円~(20時間分の固定残業代含む)
想定年収288万円程度。賞与なし。
休日休暇
シフト制(月8日休み)※結婚式が多いホテルのため、土日祝固定休みは不可
有給取得率は100%。月1日消化を会社として奨励。
残業は月平均10h程度と少なめ、産休・育休実績あり。
採用希望人数
1名~3名
課題感
給与や休日は打ち出しづらい
チャペルなどが併設された、婚礼メインのホテルのため、土日や祝日は固定でお休みできない。
また、立地に対して給与も低く、「稼げる」という打ち出しは不可能。
女性にウケのいい「土日祝日はしっかり休める」という打ち出しもできない。
(ただし残業は同業種平均よりも少なめ)
難易度の高い若手女性採用
現在活躍中の人員が20代ばかりのため、可能であれば20代の女性がいいとのこと。
また、未経験OKのハードルにする分、応募数を稼ぎ、その中からじっくり選考したいという希望があった。
ホテルの規模は小さめ
婚礼用のホテルとしてはそれなりに知られているが、いわゆる有名外資系ホテルなどとは異なり、一般的な知名度は低く、ややこじんまりとしたホテル。
系列ホテルなどもなく、ブランド押しなどは難しい。
アピールポイント設計
先輩たちも20代がほとんど=同世代ばかりで安心
「先輩たちも20代の若手ばかり(新卒や未経験スタートも多い)」
という情報は、若手女性にとって安心材料になると考え、若手社員のインタビューなどを記載。
20代女性スタッフ「プライベートで食事に行くほど仲が良いんですよ!」
など、現場社員のリアルな情報を散りばめることで、若手女性からの応募ハードルを下げることに成功しました。
若手の意見を積極的に取り入れる社風
「残業が少ない」という情報をただ記載するだけでなく、
「どうして残業が少ないのか?」
「以前から残業は少なかったのか?」
を確認したところ、
採用担当「以前は残業が多かったが、若手からの『残業をもっと減らしてほしい』意見を取り入れ、シフト制度を工夫することで残業時間を削減した」
という背景があったため、それをそのまま記載しました。
また、勤務時間の欄には
採用担当「定時になったら上司が“早く帰りなー”と言いに来ます」
など、リアルな職場の空気を想像できるような記載を添えました。
婚礼用ホテルならではの設備・内装の豪華さ
一般のビジネスホテルなどと比較して、豪華な内装や設備があることにも言及しました。
例:
「ロビーに入ると螺旋階段、四季折々で変化するオブジェがお客様を迎えます…」
「純白のチャペルやウッド調の式場は、多くのお客様に愛され…」
読んだ人自身が、「そこで働く姿」を想像できるような文章で訴求しました。
大規模ホテルではできない、寄り添った接客
「客室数の少ない、規模が小さいホテル」
という特徴を逆手に取り、
「大きな規模のホテルには真似できない、一人ひとりに寄り添ったおもてなしができる」
という点をピックアップ。
高級ホテルのような接客ではなく、親しみのこもったカジュアルな接客が求められるため、未経験からチャレンジしやすい点を存分に打ち出しました。
採用成果
PV数(ユニークユーザー)
440人
応募数
75人
採用数
2名
まとめ
今回ご紹介した事例は、大手競合も多いホテルスタッフの募集でした。給与や休日などの条件面において、他社に劣ってしまう場合、自社ならではの強みを打ち出すことが採用成功のカギとなります。
取材では「小さいホテルだからこその良さ」や「高級ホテルのような接客ではなく、あくまでカジュアルな接客で大丈夫」という強みを引き出すことができました。
条件面で他社より勝っていなくても、細やかな情報を散りばめることで「ここだったら、未経験でもチャレンジしやすそう!」という前向きな想いを求職者に抱かせることが可能です。
まずは、自社の強みを知ることが採用成功の第一歩。何気ないエピソードでも「実は他社にはない強みだった!」というケースもありますので、ぜひ参考にしていただければと思います。