採用難易度が格段に上がる、経験者採用では「業界のことを分かっていて、他社で高いスキルを磨いてきた人材」を求めるケースが多くあります。基礎教育の必要がない、業界に精通したプロ人材が採用できれば、その後の業績にもポジティブな影響が出るでしょう。
今回は、アパレル業界で新ブランドオープンを飾る、店舗マネジメント(店長)ポジションを採用した際の事例をご紹介いたします。「アパレル業界の経験者は、どのような点をポイントに注目するか」というご紹介もしていきますので、ぜひ最後までチェックしてみてください。
業界・企業情報
事業内容
高級スキンケア用品の企画・開発・販売を手掛けるOEMメーカー。
会社の一大プロジェクトとして、銀座の一等地で富裕層向けアパレルブランドの1号店をオープン予定。
企業規模
従業員:370名(関連会社との合計)
大阪を中心に、各地に事業所を展開(5拠点以下)。
採用条件
求める人物像
30代~50代、アパレル店舗でのマネジメント(育成・人事管理)経験がある女性を採用したい。
1着7万円ラインの高級ブランドのため、可能なら同程度のブランドに在籍していた方が望ましい。
給与および待遇
年俸600万円(45時間分の固定残業代含む)、月収換算で約43万円。
賞与が年2回、それぞれ1カ月分ずつを支給。
休日休暇
週休2日制(シフト制)、その他休暇は有給休暇のみ。
※制度が未確定のため、それ以上は書くことができない。
採用希望人数
1名
課題感
レベルの高いアパレル経験者の募集
いわゆる売上管理やスタッフ育成など、店長としての業務だけでなく、接客、顧客へのPR活動、SNS広報など、幅広い業務を担うポジション。ある程度責任のあるポジションを経験してきた人材でなければ難しい。
新規ブランドのため、知名度はない
人気ブランドなどと違い、ゼロからブランドを作り上げるため、やりがいはあるがネームバリューなどでの訴求は不可能。
高級感のある接客経験が必須
30代~50代の富裕層向けのブランドのため、落ち着きや高級感のある接客が求められる。オープン日が差し迫っており、教育の時間などもないため、同程度のブランドに在籍していた経験が必須となる。
オープン前のため、店舗の様子などは見せられない
求人掲載時は、店舗の場所は決まっているものの、写真などは提供できない状態。
高級感のある画像で訴求することは難しかった。
アピールポイント設計
高級ブランドの立ち上げに携われる
「新しく生まれるブランドを育てていく」というポジションだったため、まずはそのやりがいを訴求。
既にあるブランドの売上を伸ばすためのポジションではないため、ノルマはゼロ。1からブランドの知名度を広めていく楽しさが味わえることを伝えました。
アパレル経験者が長く活躍できる環境
アパレル経験者の転職理由として多いとされているのが、「扱っているブランドと、自分の年齢が合わなくなってきた」というもの。
そこで、顧客年齢を30~50代以上に設定していることを打ち出し、「この先ずっとアパレル業界で活躍できます」という点をアピールしました。
将来に渡ってキャリアを用意している
当面は店舗での業務がメインではありますが、将来的にはEC事業展開や2号店、3号店も予定しているため、ブランドが育てばさまざまなキャリアの道があることを強く打ち出しました。
いわゆる「店長以上」のポジションも目指せるというポイントをアピールし、アパレル業界で長きに渡って活躍できるビジョンを共有しました。
ハイブランドで接客スキルを磨ける
高級感のある接客が求められるからこそ、「もっと接客を極めたい」という方のニーズにも合致すると考え、「日々成長を実感できる」ことにも言及しました。
ブランドのコンセプトを誠実に記載
「雑誌●●で長年専属モデルを務めた●●氏がプロデュースするブランド…」
「年齢を重ねた女性の美に寄り添う…」
「●●の本場で研究・開発した素材を使用して…」
など、ブランドのコンセプトや強みを存分に打ち出しました。
まだ形になっていないブランドではありますが、こうした情報を細やかに入れ込むことで、ブランドコンセプトに共感した人材の応募を誘いました。
採用成果
PV数(ユニークユーザー)
206人
応募数
19人
採用数
1名(100%充足!)
まとめ
今回はレベルの高いアパレル経験者、という応募者が限定される求人事例でした。
この企業では、ポジションに見合った待遇を用意していました。しかしその分能力が求められるため、いかに“経験者が応募したくなるような原稿”にするかが課題でした。
経験者を採用するにあたって最も大切なのは、「アパレル経験者が転職する理由」に寄り添うこと。
ずっとアパレル業界で活躍したい!と思っている人材ほど、現状の不安を打開したいと思っています。だからこそ「年齢に合ったブランドで活躍したい」や、「キャリアの頭打ちをなんとかしたい」などの要望に応えることができるならば、それを全面に押し出すことが、採用成功の秘訣と言えるでしょう。